通訳コラム

通訳者への道 連載第1回

通訳者育成機関について

通訳者になるためにはまず通訳の技術を身につけなければなりません。独学で身につけることも不可能ではないでしょうが、通訳という職業が定着している現在では現実的に無理だといっていいでしょう。日本で活動している通訳者のほとんどは何らかの形で通訳技術を教える機関で学んでいます。

そのひとつは大学(大学院を含む)です。いま、大学の通訳関連プログラムに対する関心は、ますます高くなっています。それは、通訳者の養成というより、通訳訓練の手法が英語学習に高い効果があるということが知られてきたからです。一般の大学生の英語力のレベルが通訳者の養成という見地からは十分ではないというのもその理由のひとつです。そんな中、東京外国語大学のように大学院レベルで、通訳者養成を目的としたプログラムも生まれてきています。このようなプログラムがさらに充実して、将来的に大学が通訳者養成に重要な役割を果たすことが期待されます。

現時点では、日本で通訳者養成の大きな役割を果たしているのは、サイマル・アカデミー、ISS、インタースクールのようなエージェンシー系の通訳者養成機関です。あるエージェンシーに登録している通訳者250名の経歴をみると、約200名はそういう機関で学んだ経験をもっています。こうしてみると、エージェンシー系の養成機関で学ぶのが、もっとも普通のルートであるといえます。もちろん、大学の通訳関連プログラムで学んだ後に、そういう機関に入るというのも有効な方法です。

エージェンシー系の通訳者養成機関の強みのひとつは、現役の通訳者が教えていることです。彼らは仕事の経験をそのまま教室に持ち込むことができ、学習者の動機を高めることができます。また、プログラムを運営するエージェンシーにとっては、優秀な学習者を自社の通訳者としてリクルートすることにつながります。したがって、エージェンシー系の通訳者養成機関で学ぶということは、将来的に仕事につながる可能性を持っているということができます。

連載第2回 「エージェンシーについて」

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通訳者への道

プロの通訳者への道のり、そのポイントを通訳者の小松達也が教示します。