通訳コラム

通訳者への道 連載第3回

仕事の形態

通訳の仕事を始めたばかりの頃は、プロとしてのキャリアを築いていく過程に、どんな種類の仕事があるのでしょう。代表的なものをご紹介します。

(1) リエーゾン通訳

これは通常、エージェンシーに登録するという形をとります。しかし、エージェンシーとしては仕事の実績のない人を登録しようとはあまりしません。エージェンシー系の通訳者養成機関を修了することにメリットがあるのはこの点です。そこで成績がよければエージェンシーのほうから声がかかります。どんな仕事でも、特にプロの世界では、仕事をするようになる入り口が難関です。通訳技能向上センター(CAIS)が設立された目的の一つもここにあります。通訳の技術を身につけた人たちがその力を試す機会を提供し、仕事の世界に入ることをより容易に、より透明にし、マーケットとの接点を作ろうということです。

(2) 派遣通訳

派遣の立場で通訳(や翻訳)の仕事をするケースです。この場合、人材派遣会社に登録し、そこを通じて短期・長期で企業などに派遣されることになります。仕事の内容は通訳以外に翻訳や秘書的業務が含まれることもあります。通訳業務としては決してレベルの低いものではありません。しかも、通訳技術のみではなく、ビジネス知識も必要です。ですから、この仕事がきちんとできるようになれば、プロの通訳者としてのキャリア形成に役立ちます。ほとんどの通訳エージェンシーは派遣業務も行っているので、派遣の仕事から会議関係の仕事に移ることも可能です。

(3) 企業内通訳

特定企業の正社員あるいは契約社員として通訳業務に従事するものです。仕事内容は(2)と同様に翻訳や秘書的業務を含む場合があります。翻訳の経験を積むことは、総合的な通訳の技術を高める上でも有効です。通訳の難易度はビジネ会議通訳の中のビジネス関連通訳と変わりませんが、同一社内の通訳をしていくことになるので、案件の類似性、継続性が高く、内容に対する知識量が増し、より良いパフォーマンスにつながります。優れた語学力と通訳技術をもち、ビジネスや企業内の知識も備えた有為な人材として、企業内で独自のキャリアを築く可能性も生まれてきています。

連載第4回 「技術の習熟」

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通訳者への道

プロの通訳者への道のり、そのポイントを通訳者の小松達也が教示します。