通訳コラム

通訳と声 連載第2回 2005.12.14

急に声が出なくなった時の緊急対処法

ハイシーズンの秋から冬にかけては、風邪がはやりだす季節でもありますね。風邪ぎみの日、エアコンのきいた会場でしゃべり続けていたら、だんだんと声がかすれ、ついに蚊のなくようなウイスパー声に!

大変! こんな時はどうしたらいいでしょうか? 現場ですぐにできることは、声帯の加湿をすることです。ブースに入ったまま動けないなら、その場でハンカチを口に当てて呼吸するだけでも違いますが、一番良いのは電子レンジなどで蒸しタオルを作ることです。サービスの良いホテルなら、頼み込めばやってくれるかもしれません。携帯用の加湿器をバッグに忍ばせるのもいいでしょう。大型電気店で扱っています。発声については、音量は小さくても母音をはっきり発音すると、マイクの拾いやすい音になります。ムリに大声を出すと、聞き取りにくいばかりか、5分もしたら全く出なくなってしまうこともありますので避けたほうが賢明です。

こんな窮地に陥らないための予防法としては、日ごろから保湿が大切。朝起きて喉がイガイガしていると思った日は、マスクをして出かけます。マスクはいろいろなものが出ていますが、鼻の部分にワイヤーが入っている不織布の作業用が薄くて呼吸しやすいので、私は気に入っています。移動中も「んー」と低くハミングして、声帯のまわりを暖めておきます。飲み物は、温かい白湯やお茶がベスト。また、ノドが痛くてたまらない時は、私は紅茶にハチミツやしょうがなどを入れて飲んでいます。ハチミツに大根を漬け込んで、エキスを出しておいたものを作るのも手です。アメは健康食品店などで扱っているプロポリスの入ったものが、ウイルスを殺す効果が高いような気がします。

ナレーターの間では、夏でも冬でもエアコンはご法度、眠るときにうすいガーゼのような布をふわっと口と鼻の上にかけるのがはやっていました。またこの道35年の先輩は、帰宅してからのうがいを毎日欠かさないそうです。現場で冷や汗をかかないよう、皆さんも心がけてはいかがでしょうか。

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轟 美穂 さん

ラジオ局アナウンサー、TVレポーターを経て、ナレーター、司会者として活躍。プロの通訳者のための日本語パフォーマンス向上講座、放送通訳講座などの講師や、仕事で声を使う人のコンサルティングも務める。2004年より京都在住。ヴォイスコネクション主催。