通訳コラム

通訳と声 連載第7回 2014.12.05

仕事前の声のウォーミングアップ

前回の連載から実に7年ぶりになります。これから数回にわたり、講座でよくご質問いただく内容からピックアップして、通訳業務に必要な声の知識やスキルについてご紹介していきます。
今回は、自分でできる簡単な声のウォーミングアップについてです。

さて、通訳業務あるいは学習をする際、関連資料を読んだり、用語を調べるなどの準備をされると思いますが、声を使う時にも準備、すなわちウォーミングアップが必要です。
ストレッチをしないで急に激しい運動が出来ないのと同じで、準備なしでいきなり大きな声を出そうとしても上手くいかないばかりか、無理をすると声帯を傷めかねません。

では実際にどんな事をしたらよいでしょうか?ポイントは軽く楽な状態で、少しずつ声が出る状態にもっていくことです。具体的な方法をまとめました。

ストレッチ
肩甲骨体操
首のストレッチ
左右、前後に動かす。
※首回しは効果に個人差があり、おすすめしていません。する時には反動をつけないよう、体の状態と相談してゆっくり行って下さい。
舌のストレッチ
舌を突き出してあくび、舌先を左右に動かす、口の中で転がす、など。
顔を動かす
「にっ」と頬をあげて笑ったり、「わおわお」「ういうい」と言いながらやわらかく顔の筋肉を動かします。
ハミング
力を抜いて、「ん〜」という音を出しながら、口の中に響く感覚を意識し、唇が震える息の出し方を見つけます。
ストロー発声
ストローを歯で噛まないようにくわえます。はじめは息を吹いてみます。唇の両脇に隙間がないか、途切れずに息が続いたら、声を出してみます。音を高くしたり低くしたりして、唇とストローの間の振動を感じます。
リップロール
「プルルルル〜」と唇をふるわせて発声します。上手く出来ない人は、最初は音を出さずにやってみましょう。口の両脇にある筋肉の支えがあり、唇がリラックスしていると無理なく振動させる事が出来ます。力任せに振動させたり、高さを調節する時に振動が止まりやすいので、息の量に注意しながら行います。他の練習より少し難しいかもしれません。

時間がない方は、「ながら練習」でも大丈夫です。朝、音楽をかけ、音に合わせてハミングで声を出してみる、リップロールで歌う、ストロー発声のような「ホ〜」の声で軽く歌うなど、細切れの時間を利用してできるよう工夫しましょう。朝は特に、少しずつ声帯を起こすようなつもりですること、声帯をいつも保湿しておく事も大事です。

声を使う技術は通訳技能の一部です。習慣づけるまで少し時間がかかると思いますが、しばらくすると効果が実感できますので、遊び感覚で続けてみてください。

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轟 美穂 さん

ラジオ局アナウンサー、TVレポーターを経て、ナレーター、司会者として活躍。プロの通訳者のための日本語パフォーマンス向上講座、放送通訳講座などの講師や、仕事で声を使う人のコンサルティングも務める。2004年より京都在住。ヴォイスコネクション主催。