日本文化コラム

冠婚葬祭のなぜ? 連載第2回 2009.04.07

日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼など、日本の伝統文化は奥深く、美しいものです。この日本文化コラムでは、日本人でも意外と知らない日本伝統文化の豆知識を紹介いたします。国際コミュニケーションにおいて、日本を語る話題の一つとしてお役立てください。
第2回は、端午の節句をテーマにおおくりいたします。

鯉のぼりをたてるのはなぜ?

鯉のぼりを立てるようになったのは江戸時代。中国の故事「鯉は竜門の滝をさかのぼって竜に化身する」に由来します。

鯉のぼりは出世を意味することから、町人の間で広まり、やがて武家へと広まっていった風習です。日本にも「鯉の水離れ」といって、水から出された鯉は、一度は勢いよく跳ねるものの、まな板にのせられると覚悟を決めてジタバタしません。そこから武士階級に潔く強い魚として大切にされました。

武家ではそれ以前から、男の子が生まれると戦の際に使う吹流しやのぼり旗を立てて祝っていました。戦場で色や家紋によって敵味方を識別する実用的なものです。これは後継ぎの誕生を世間に知らせるためでした。しかし、のぼりの本来の意味は神様を招く依代(※よりしろ)の役にありました。

五月晴れの空と鯉のぼりは定番の組合せです。しかし、これは明治時代の新暦採用後のことです。旧暦の五月は梅雨の最中です。鯉のぼりの原色の色使いや派手な模様は、曇り空や雨の中でも映えるようにという工夫があったからでしょう。

※依代(よりしろ)
神様が降臨する(降りてくる)際の媒体となるもの。代理物=代(しろ)に神様が依ってくるという意味で、神様に信号を送るアンテナの役目である。
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著者・著書紹介

「七夕」と書いて、どうして「たなばた」と呼ぶのでしょう? 門松は何のために飾るのですか? ニューミレニアムネットワーク株式会社より出版されている著書では、こういった日本人にもあまり知られていない日本の伝統文化を紹介しています。
このコラムの出典でもある「冠婚葬祭のなぜ?」をはじめ、子供用の著書として「冠婚葬祭ってな〜に?」および、その英訳版の「JAPAN: How we breathe …」を出版し、日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼の中に脈々と流れている「日本人の息づかいのリズム」をやさしく紐解きました。

「JAPAN」

「冠婚葬祭ってな〜に?」

ニューミレニアムネットワーク(株)

1997年3月設立。代表工藤忠継。
「生き生きとした個人でありたい。社会のお役にも立ちたい。」と願う熟成世代の男女150人を糾合して発足したサロン。生活者の目線を大切に、社会に対して数々のメッセージを発信している。