日本文化コラム

冠婚葬祭のなぜ? 連載第3回 2009.06.10

日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼など、日本の伝統文化は奥深く、美しいものです。この日本文化コラムでは、日本人でも意外と知らない日本伝統文化の豆知識を紹介いたします。国際コミュニケーションにおいて、日本を語る話題の一つとしてお役立てください。
第3回は、七夕の節句をテーマにおおくりいたします。

なぜ笹竹を立てるの?

笹は高くまっすぐに伸び、葉のすれあう音が神を招くとして、祖霊が降臨する際の依代(よりしろ)として使われていました。また穢れを移した笹竹を、かつては川や海に流していました。

七夕に笹を立てるようになったのは室町時代。江戸時代になると手習いが盛んになり、願いごとを書いた短冊や色紙を下げるようになりました。里芋の葉に溜まったつゆですった墨で書くと字がうまくなるといわれています。さらに、江戸時代末期には算盤(そろばん)、すずり、筆、大福帳(だいふくちょう)なども笹に下げ、各家の庭に立てました。やがて笹は通りにも立てられ、現在行われている商店街の七夕祭りのルーツとなったようです。

七夕に限らず、いろいろな場面で笹竹や常緑樹が神の依代として立てられます。この信仰が日本の生け花を生みました。室町時代に大成した池坊の生け花は、初期には、松などの常緑樹を立てる生け方が中心でした。その後、花を添えて季節感を出し、現在の生け花の流派として発展していったのです。

私達が目にする孟宗竹(もうそうだけ)は、江戸時代初期にわが国に伝わりました。それ以前の日本には細い笹竹しかありませんでした。平安時代に書かれた竹取物語のかぐや姫は、笹竹から生まれたわけですから、ほんの親指くらいの大きさでしかなかったことになります。
笹と竹の見分け方は、皮が落ちるのが竹。たけのこ掘りに行くと竹林にたくさんの皮が落ちています。笹は皮が落ちません。

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著者・著書紹介

「七夕」と書いて、どうして「たなばた」と呼ぶのでしょう? 門松は何のために飾るのですか? ニューミレニアムネットワーク株式会社より出版されている著書では、こういった日本人にもあまり知られていない日本の伝統文化を紹介しています。
このコラムの出典でもある「冠婚葬祭のなぜ?」をはじめ、子供用の著書として「冠婚葬祭ってな〜に?」および、その英訳版の「JAPAN: How we breathe …」を出版し、日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼の中に脈々と流れている「日本人の息づかいのリズム」をやさしく紐解きました。

「JAPAN」

「冠婚葬祭ってな〜に?」

ニューミレニアムネットワーク(株)

1997年3月設立。代表工藤忠継。
「生き生きとした個人でありたい。社会のお役にも立ちたい。」と願う熟成世代の男女150人を糾合して発足したサロン。生活者の目線を大切に、社会に対して数々のメッセージを発信している。