日本文化コラム

冠婚葬祭のなぜ? 連載第5回 2010.01.14

日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼など、日本の伝統文化は奥深く、美しいものです。この日本文化コラムでは、日本人でも意外と知らない日本伝統文化の豆知識を紹介いたします。国際コミュニケーションにおいて、日本を語る話題の一つとしてお役立てください。
第5回は、節分をテーマにおおくりいたします。

なぜ大豆をまくの?

大豆を炒ると音を立ててはじける。その音が悪霊をおどかすからです。それに、炒った大豆は食べることができます。

豆まきは家の戸を開け放ち「福は内、鬼は外」といいながら、奥の部屋から表の部屋へ順番に豆をまきます。逆にすると鬼を家中に閉じ込めてしまうからです。ほうきを使って掃除をしたことがある人はわかる話ですが、掃除機の時代では、いわれてみないとわからないかも知れません。

豆まきのあと、自分の年より一つ多く豆を食べます。これは豆に宿った霊を体内にいれ、人間の霊魂を強くするため。一つ多く食べるのは「明日から始まる新しい年の分」というわけです。

ところで、かけ声で「福は内、鬼も内」と唱える地域があります。それは鬼は祖霊が姿を変えたものという考えが残っているからです。入谷の鬼子母神、群馬県の鬼石町(現・藤岡市)など地名に鬼の字が使われている所や、苗字に鬼の字が入る家庭では「鬼も内」が多いそうです。

落花生と太巻き寿司

この頃は豆まきの大豆にかわって、から付き落花生をまく家庭が多くなったそうです。人々の好みの変化によって、炒り大豆が使われなくなったことと、後で拾って食べる事を考えて、から付きを使うのだとか。まだ落花生はいい方で「あとの掃除が大変なのでわが家では豆まきはさせません」というお母さんもいるようです。本当は、家庭の福を願うのだから多少の手間を惜しんではいけないとおもいます。

一昔前は節分の日に、鰯と大豆を使った料理を食べました。近頃は太巻き寿司を食べる事が流行っています。その年の恵方に向かって、太巻き寿司を切らずに丸かじりすると、その年は良いことがあるといいます。昭和五十年頃に大阪の寿司屋さんとのり業界が始め、全国に広まりました。鰯料理に取って代わる勢いです。

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著者・著書紹介

「七夕」と書いて、どうして「たなばた」と呼ぶのでしょう? 門松は何のために飾るのですか? ニューミレニアムネットワーク株式会社より出版されている著書では、こういった日本人にもあまり知られていない日本の伝統文化を紹介しています。
このコラムの出典でもある「冠婚葬祭のなぜ?」をはじめ、子供用の著書として「冠婚葬祭ってな〜に?」および、その英訳版の「JAPAN: How we breathe …」を出版し、日本人の生活を彩る年中行事や一生の儀礼の中に脈々と流れている「日本人の息づかいのリズム」をやさしく紐解きました。

「JAPAN」

「冠婚葬祭ってな〜に?」

ニューミレニアムネットワーク(株)

1997年3月設立。代表工藤忠継。
「生き生きとした個人でありたい。社会のお役にも立ちたい。」と願う熟成世代の男女150人を糾合して発足したサロン。生活者の目線を大切に、社会に対して数々のメッセージを発信している。