通訳コラム

通訳者の英語力 連載第3回 2017.05.12

Pleasure Reading

英語学習については、色々な方が多読を勧めておられます。多読というのは精読の対をなす読み方で、意味が分からない単語があっても文脈から推測し、とにかくたくさん読むことです。内容が面白い娯楽小説のようなものが向いているでしょう。

私は仕事の資料がひっきりなしに届くこともあり、今はあまりPleasure Readingはできていないのですが、学生時代やサラリーマン時代はたくさんの小説を読みました。

初めて読破したのはロアルド・ダールの小説でした。留学生の友人がくれたのです。ダールは「チャーリーとチョコレート工場」や「マチルダは小さな大天才」などで有名な作家ですが、日本でも人気があるので、親しみやすいのではないかと思います。また、ハリー・ポッターシリーズや、見たことのある洋画の原作なども、ざっくりとストーリーが頭に入っているので、割と気軽に読み進めることができます。

また、今はキンドルという便利なものがあるので、英語の小説をダウンロードしておいて、気が向いたときに読み進めることができます。
多読では一般的に辞書を引かずに読むことが推奨されますが、どうしても調べたくなる単語もあります(意味が分からないものの、何度も登場する単語など)。その場合、キンドルは単語をタップすれば辞書が立ち上がるので非常に便利です。紙の辞書や電子辞書を使うと、どうしても視線が移動することになるので疲れます。みなさんご存知でしょうが、視線の移動というのはかなりストレスになります。辞書を引いて単語の意味を理解した後、さて、さっきはどこまで読んだかなと続きを探すわけですが、なかなか時間がかかります。物書きをよくする人がタッチタイピング(ブラインドタッチ)を学んだり、翻訳者がスクリーンを複数使いながら作業をするのは、なるべく視線の動きを減らすためなのでしょう。
また、キンドルですと軽いし、字の大きさなども自分好みに変えられます。

Pleasure Readingというのは楽しみのためにする読書のことなので、自分の関心がある分野をお勧めします。日本語でも小説を読むのが好きでないのであれば、英語だとますます嫌になるでしょうから、自分の関心のある分野の本を読むことをお勧めします。ベストセラーになっているようなビジネス本も、英語が平易で読みやすいものが多いです。

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佐藤 祐大 さん

熊本大学英文科卒。公益財団法人日本英語検定協会(英検)に4年半勤務したのち、通訳者を目指してロンドン・メトロポリタン大学で会議通訳の修士号を取得。その後マッキンゼーなどの社内通訳者を経て、2016年10月からサイマル・インターナショナル専属通訳者。