通訳コラム

通訳者の英語力 連載第9回 2017.11.10

発音をよくする

英語の発音がどのくらい大切かということについては諸説ありますが、私はある程度正確で聞きやすい英語の発音ができることは大事だと考えています。最近では日本語で行われている会議を、一方通行で英語に通訳することも多く、その場合は外国人クライアントの評価が大事になるからです。実際私も経験がなかったにもかかわらず、最初の社内通訳者として採用してくれたのはある会社のアメリカ人社長でしたが、「発音が聞きやすかったから」というのが1つの理由だと言われたことがあります。

私は大学生のときに、英語の発音を解説した参考書を1冊買い、英語ネイティブの友人に1つひとつ発音を教えてもらいました。そのときに全てできるようになったわけではありませんが、何となくであっても自分で区別して発音する練習をしたことによって、徐々に発音がよくなりました。教材は英語の発音が全て解説されていればそれでいいので、特におすすめのものがあるわけではありません。

さらに、単に1つひとつの音や、単語のレベルで練習するだけではなく、音のつながりや脱落を意識しながら、文レベルで練習することが重要です。これには音読が役立ちます。

実際に声を出して英文を読むと、スムーズに読めないことがあります。本来は落とすべき音を落としていなかったり、つなげるようにして発音するべき部分をぶつ切りで読んでいたりすると、スムーズに読めません。

また、英語には「あいまい母音」というものがあり、これは読んで字のごとくあいまいに発音する母音です。英語を話すときはつい力が入ってしまいますが、ある意味「適当に」発音しなければならない部分もあるのです。

そして、単語1つひとつの正確が発音であることよりも、文全体でのメリハリがきちんとしていたほうが、英語としては聞きやすいものとなります。これは、シャドーウィングなどをすることによって身につけられます。

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佐藤 祐大 さん

ロンドンメトロポリタン大学大学院会議通訳科修了。医療機器メーカー、コンサルティング会社などの社内通訳者を経て、2016年10月からサイマル・インターナショナル専属通訳者。