第7回 ビジネス通訳検定(TOBIS) 総評・問題解説(抜粋)

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第7回TOBISは2010年12月11日に行われました。今回も多数の方々が受験されましたことは、通訳に関心を持つ方が増え、ご自身のスキルを高めたいという向上心のあらわれだと思います。
受験者全体の試験結果については、準3級と4級を合わせて全体の75%と、例年よりもやや下がった傾向にあります。(2009年は、58%でした。)今後、皆さんが更なる訓練を重ね、技術の向上に努められることを期待してやみません。

第7回 ビジネス通訳検定(TOBIS) 級別分布

今回の逐次通訳の問題、特に英→日はイギリスの自動車会社ローバーとホンダとの協力関係についてローバー側の当事者が述べたもので、内容も比較的平明で話の流れもスムースです。このような問題では話しの背景と展開を捉え、一つの物語のように英語で語って行く、というアプローチが最も効果的です。どうしても部分的に訳す傾向があり、訳しながら全体をみるのは容易ではありませんが、このような問題を材料にしてストーリー・テリングの方法を身につけられるといいと思います。
中堅の玩具会社についての日→英の問題も同じタイプの問題です。「株式公開買い付けの手法」とか「貸借対照表にはかなりの現金を持っている」とかといった財務面の用語が出てきましたが、このようなビジネス用語については皆さんよくできていました。ビジネス知識はかなりお持ちであることが分かります。その上に話の要点と流れを捉えて、分かりやすく伝えることができれば素晴らしい通訳ができると思います。

同時通訳の問題は、英→日、日→英とも、問題の解説と抜粋の項で述べていますように、専門性が高く情報量も多い難しい問題でした。次々と出てくるビジネス用語を同時通訳で訳してゆくのはかなり高度な技術を必要とします。この点で一生懸命落とさないように通訳しようとしておられた皆さんの努力を高く評価します。このような難問では、ある程度取捨選択しながら情報量を減らし、その代わり要点は落とさないように通訳してゆく戦略が必要になります。これは大きなチャレンジであるとともにある程度の経験を必要とします。かなり力のあるお方も同時通訳の問題ではいい成績を収めることができなかったのも十分理由のあることです。この辺りに同時通訳という作業の本質的な難しさがあると思います。

ビジネス通訳者に対するマーケットの期待がますます高くなってきているのは事実です。このような点をさらに検討して、受験者の皆さんの基礎的な通訳能力をさらに高めることに資するよう私共も努めたいと思います。

NPO法人 通訳技能向上センター理事長 小松達也

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