過去の出題例 逐次通訳試験

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  • 日→英
冒頭: 聞くだけのセグメントになります。この部分は通訳しないで、ただ聞いて、次に続く部分の参考にしてください。
問題 セグメント毎に逐次通訳をしていただきます。

第5回(2008年12月7日実施)出題

冒頭

このところアメリカではじまった金融危機のあおりを受けて我が国の景気も低迷しています。アメリカ経済の不安定は今後しばらく続くと思われますし、円高の影響と相まって、日本経済の成長を支えてきた輸出の伸びに今後も期待することは難しいという現状になっています。したがって、国内需要特に消費を増やすことが我が国経済の回復のカギを握っています。この点で我々小売業者は消費の拡大を促進するという大きな責任を負っています。そこで今日は、小売業の現状と戦略についてお話ししたいと思います。

問題

1. この景気低迷の影響は当然小売業にも出ておりまして、今年の第2四半期のスーパーの売り上げは関東地方をとりますと昨年同期と比べて4.5%の減少となっております。お客様の財布の紐がそれだけ硬くなっているわけです。それに加えまして、石油、穀物など原料面の価格の高騰によって、私どもの商品のいくつかについても価格を上げざるを得ないという状況です。
2. しかし、売上が低下している現状では、商品の価格を上げることは極めて難しいことはいうまでもありません。そこで私どもが今力を入れておりますのがPB、プライベードブランド商品の開発と拡大です。PB商品と申しますのは、ソニー、ライオン、サントリーなどといったいわゆるナショナル・ブランドに対して、私ども小売業者が開発し、発注する商品のことです。ナショナル・ブランドはブランド力があってその分お客さまに信用がありますから、名前だけでも良く売れます。
3. たとえば朝食用のシリアルを例にとりますと、私どもの年代では朝食というとご飯に味噌汁だったわけですが、最近若い人のライフスタイルといいますか、シリアルを召し上がる人が増えてきております。シリアルにはケロッグというアメリカの会社が開発した商品があります。これはナショナル・ブランドというより世界的なブランドでありまして、我が国でも圧倒的なシェアを持っております。これまでもいろんな会社が日本製のシリアルを販売しましたが、なかなかケロッグに対抗することはできませんでした。
4. 同じ商品だったら安い方がいいというのは当たり前なんですが、日本の消費者は商品の価値というものに敏感です。日本人はブランドに弱いといわれますが、それは価格だけでなくて、その商品がそれを買う人にとってどのような付加価値があるかという考えが強いということだと思います。PBでも値段は3割安いけど、品質も3割悪いというのではお客様の支持を得ることはできません。ナショナル・ブランドと同等あるいはそれ以上の価値があってしかも値段は安い、ということでないとPBはうまくゆかないと思っております。
5. そのよい例がカップラーメンです。スーパーの場合、カップラーメンというのは目玉商品です。ただ、それだけで利益を上げるというものではありません。ナショナル・ブランドのものは、大体値段が180円くらいのものを130から140円で売っています。私どものPBでありますカップラーメンは、1個120円で販売していますが、おかげ様で大変よく売れましてしかも利益がでる商品になりました。安いだけでなくて、お客様が本当においしいと思われる商品でないとPBとしても成功しないと思います。現在PBは売り上げで全体の15%くらいを占めていますが、これを30%にまで持っていくのが今の目標です。
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第7回(2010年12月11日実施)出題

冒頭

本日はこのMアンドAセミナーにお招きいただきありがとうございます。昨今のように以前に比べて、円相場が円高になると、輸出企業にとっては苦しい状況になるわけですが、日本企業が外国の企業を買収するのは比較的容易になるわけでございます。その状況を活かして、外国企業を買収することによって、海外市場におけるビジネスを伸ばそうとする日本の企業が出てきておりますが、実際そのような経験をした企業の経営者として今日はお話しさせて頂きたいと思います。

問題

1. 私が社長をしています会社は中堅の玩具メーカーです。創業は昭和の初めで、現在では主にプラスティックの玩具を製造、販売しています。1980年代の初めに上場企業になりました。2010年3月期末で、売上高は942億円、営業利益は45億円で、従業員数は1230人です。2000年代に入り、コンピューターゲームの普及で売上が伸び悩み、円高で輸出もままならない、というなかで、経営者として私は将来の成長戦略を決めかねておりました。
2. ちょうどその時、欧州の玩具メーカーを買収してみないか、と投資銀行の方から私は提案を受けました。その会社、A社としましょう。A社は玩具に半導体チップを応用する高度な技術を持ち、しかも欧州および、中東、北アフリカに広範な販売網を持っていました。しかし、その当時、業績が悪化して身売り先を探していました。ここに両社の利害は一致し、株式公開買い付けの手法で当社がA社を買収することで両者が合意しました。
3. その当時、業績が低迷しているとはいえ、私どもの会社は貸借対照表にはかなりの現金を持っておりました。そのため、私は、若干、銀行から借り入れをするものの、基本的には手持ちの現金を使ってA社を買収することにいたしました。交渉は順調にすすみ、A社は2004年9月に私どもの完全子会社となりました。買収価格は約250億円でした。親会社である当社から4名がA社の取締役として出向いたしました。
4. さて、買収にあたって私が最も心配したのは異文化間の理解と意思疎通の問題でした。私が特に強調したのは、お互いの国の文化および、企業風土を尊重して、最大限の相乗効果を生み出そう、ということでした。その甲斐もあって、今では、A社から当社への技術移転も順調に進んでいますし、日本の生産方式や改善活動などもA社にうまく取り入れられています。現場の作業員の人たちが改善の提案をすることはA社では当たり前のことになりました。
5. 昨今、日本経済の相対的な地位が低下している、とよく言われますが、私は必ずしもそうとは思いません。依然として、日本企業、とくに製造業には卓越した技術が存在しています。当社は買収によって、外国企業の先端技術を手にしたわけですが、逆に例えば、再生可能エネルギーや飲料水の供給などの、環境関連の優秀な技術を武器にして、MアンドAを行うことにより、日本企業はさらにグローバルに成長することができる、と私は確信しております。
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