通訳コラム

通訳者の英語力 連載第1回 2017.03.03

英字新聞を読む

通訳は英語ができるだけでは務まらないと言われますが、同時にある程度の英語力をつけなければ、スタート地点に立てないのもまた現実です。小松達也先生も著書「英語で話すヒント」で、「サイマル・アカデミーやその他の通訳養成機関では、参加者の英語力にはかなりの幅がありますが、ほとんどの人はまだまだ英語力が不足しています。」とおっしゃっています。

大人になってから英語コミュニケーションを学ぶ場合は、英語力がどうしてもネックになります。したがってこのコラムでは、帰国子女ではない私が、どのようにして通訳者になるまでの英語力を身につけたのかということについて書いていきます。

第1回では、英字新聞について取り上げます。「英字新聞を読む」というのは、英語学習の王道のような感じがしますが、実際はどうなのでしょうか。

私個人としては、英字新聞を読むのは非常に効果的だと思います。私は大学生のときに、英語力をつけたいと思ったものの、どのように勉強したものかわかりませんでした。そのため、なんとなく「英字新聞を読んでいれば少し英語力がつくのではないか。」と考え、The Japan Times Weekly という週刊の英字新聞を購読することにしました。

日刊の新聞ではとても読みきれませんし、大学生にとっては高い買い物です。そのため、週刊の英字新聞を1日30分、わからない単語を調べながら読むことにしました。

最初は読むのに時間がかかっていましたが、時間が経つにつれ、繰り返し出てくる単語などが自然に覚えられ、特に国内の問題に関する記事であれば、楽に読めるようになってきました。

新聞は参考書とは違い、同じことがニュースになっている限り、繰り返し同じ単語や表現が使われます。また、いきなり The New York Times や The Wall Street Journal のような英語圏の英字新聞を読もうとすると、ハードルが高くて挫折してしまうかもしれませんが、日本の新聞社が出している英字新聞であれば、日本のことについてはある程度背景知識があるため、理解が容易になります。Prime Minister の意味が分からなくても、すぐ後ろに日本の首相の名前がくれば、総理大臣のことだと分かります。

時間で測って読むようにしたのもよかったと思います。「何ページ読む」とか、「全部読む」だと、内容が難しかったときに目標が達成できず、自己嫌悪に陥ってしまいます。外国語学習はとにかく細々とでも長く続ける必要があるため、モチベーションを保ちながら継続できるような計画を立てることが大事だと思います。

通訳情報ステーションページの先頭へ戻る
佐藤 祐大 さん

ロンドンメトロポリタン大学大学院会議通訳科修了。医療機器メーカー、コンサルティング会社などの社内通訳者を経て、2016年10月からサイマル・インターナショナル専属通訳者。