同時通訳試験 日→英

(冒頭)
聞くだけのセグメントです。この部分は通訳しないで、ただ聞いて、次に続く部分の参考にしてください。

(問題)
同時通訳をしてください。

(冒頭)

皆さんこんにちは。今日は、新たにわが社の仲間として入社された、外国人社員の皆様に、会社の事をより深く知っていただくために会長兼CEOの三木正人が是非皆さんと直接お話したいとの事で、このような機会を設けさせて頂きました。会長のプレゼンのあとにQ&Aの時間も取っていますので、会長に直接聞きたい質問のある方は是非この機会をご活用ください。本日は通訳の方もお願いしていますので、英語での質問も大歓迎です。では、三木会長、よろしくお願い致します。

(問題)

皆さん、こんにちは。三木クオリテイー・フーズ・グループ会長兼CEOの三木正人です。まずは、ここ日本をはじめ、アメリカ、シンガポール、香港、タイ、ベトナムで、消費者の皆様へ、安心・安全でおいしい食品をお届けするわが社に入社してくださった事を心から歓迎します。

わが社は、戦後まもなく、日本がまだ貧しかった時代に私の祖父が小さな食品販売会社を神戸で始めたのが始まりです。会社の創成期は、日本人誰もがお腹をすかしている時代でしたから、お米、醤油、うどんなど、生活に欠かせない食品のみを扱っていたようですが、日本人の生活が豊かになっていくにつれ、洋菓子や高級和菓子、各地の特産品など幅広い食品を扱うようになり、それと同時に販売網も全国に広がっていきました。

日本の高度経済成長期とちょうど合致する形で、会社は毎年売り上げを二けた成長させ、順調に業績を伸ばしていきました。1975年には東京証券取引所2部、80年に1部上場を果たし、その2年後には祖父の夢であった初の海外支社を米国に設立、その時点で私の父がビジネスを継承いたしました。

昨年度の連結ベースの売り上げは423億6800万, 純利益は43億700万。従業員数は連結ベースで1200人。このうち海外子会社の従業員数は215人です。日本でも、既に沢山の日本以外のお国出身の方が多く働いてくださっており、この事は、多様化する消費者ニーズに対応していくためにわが社にとって大きな強みであると考えています。

こんにち、日本の消費者の求める水準は非常に高く、原料のトレーサビリティやアレルギー対応、ベジタリアン、そしてハラルやコーシャーといった宗教的ニーズにも対応できることが求められています。消費者が求めるものは何か、という事を常に模索しながら、人類共通の食べるという幸せを提供し続けられる会社でありたいと思っています。日本市場が成熟期に入って久しい今、「出せば売れる」時代は終わりました。ここ数年の業績推移を見ても、毎年売り上げは一桁代前半程度の伸びにとどまっており、リーマンショック後の一時的な市場冷え込みからは回復したものの楽観はできない状況です。また、消費者にとって購入チャネルも多様化しており、消費者が魅力を感じられる価値を提供できなければ、生き残ることはできないでしょう。

こうした環境をふまえ、東南アジアの国々に新たなビジネスチャンスを求め、5年前シンガポールのAAA(トリプルエー)フードを買収、完全子会社化しました。理由は二つあります。まず一つは、今後も人口増と経済成長が期待できる東南アジア諸国を今後収益の大切な柱として成長させること。昨年度、海外での売り上げは、連結ベースの売上高の21.5%を占めるに至り、これは対前年比で5%、2年前と比べて12.5%の伸びとなっています。もう一つは、アジア各国の魅力的な食材や食品を今後日本市場へ紹介する前線基地としての役割です。ひとことで東南アジアといってもそこには大きく異なる食文化や食材料が存在していて、多様化・高級化する日本市場から見てまさに宝の山であります。日本国内をビジネスの基盤としつつ、今後更なる積極展開を海外で進めていきたいと考えています。

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